コラム

2025-05-16
著作権法について①

1 はじめに

ビジネスを進めるうえで、インターネット上の文書や写真等を使用しようとしたときは、その行為は著作権法に反しないでしょうか。著作権の基礎について解説します。

ちなみに、特許法は「技術」という知的財産を保護する法律で、著作権法は「文化」を保護する法律といわれます。

 

2 「著作物」に該当するか否か

まず、著作権法が保護しているのは「著作物」になります。

著作権法では、「①思想又は感情を、②創作的に、③表現したものであって、④文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています。

 

「著作物」に該当するか否かは、上記①~④の観点から判断されますが、特に問題になりやすいのが、②と③です。

 

著作者の「何らかの個性」が発揮されていれば「創作」にあたります。

ただ、建築現場の工事写真、制作工程の記録写真等は、著作者の個性は発揮されておらず、「記録」としての要素が強いので、創作性が否定される傾向にあります。

また、「ありふれた表現」も、創作性が否定される傾向にあります。

 

次に、「外部に表現」されている必要があります。

アイディア自体は「表現」にはあたらないし、第三者に認識されている状態になければ、著作物には該当しません。

 

いずれにしても、「著作物」の定義は広く考えられています。

人が何らかの個性を発揮して創作したもので、外部に表現されていれば、「著作物」と判断される可能性が高いです。

 

なお、著作権法上は、「著作物」に該当するかものの類型として、下記のものをあげています。

① 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物

② 音楽の著作物

③ 舞踊又は無言劇の著作物

④ 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物

⑤ 建築の著作物

⑥ 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物

⑦ 映画の著作物

⑧ 写真の著作物

⑨ プログラムの著作物

 

3 著作権取得の手続

著作権は、著作物の創作と同時に、自動的に著作者が有することになるのであり、出願や登録等といった手続は一切不要です。

他方、「特許」や「実用新案」、「商標」等は登録等の行政での手続が必要になります。

 

4 著作権侵害

他人が創作した「著作物」を使用する場合、一定のルールを順守する必要があります(続く)。

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