本年6月から、刑務作業のある懲役刑とこれのない禁錮刑の違いを廃止して、拘禁刑という形で一本化されました。これは、受刑者のより柔軟な更生のためのプログラムを実施するための法改正で、刑務作業の有無も受刑者の特性ごとに判断されます。
私が30年以上前の学生時代に「刑事政策学」を勉強しているときから、この拘禁刑への一本化は肯定的に主張されていましたが、長い時を経てようやく実現されるのかと、感慨深いものがあります。
刑務所に入っても、いつかは社会に復帰することを考えると、いかに再犯を防止してもう一度社会で暮らせるようにすべきかが重要です。充実した制度にするためには、人・物・金も必要になってくるでしょうが、政府は是非予算をつけて良い運用をしてほしいと願います。
刑事弁護をすると、弁護士として関わって出された処分以上に、いずれ復帰する社会での暮らしに心配が及びます。刑務所での更生と社会の受け入れが両輪となって、皆が暮らしやすい世の中になって欲しいと思っています。
弁護士 崔博明
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