コラム

2017-08-28
書面の題名

お金を貸す際の借用書、慰謝料を支払うことを約束する合意書、もう近寄らないことを誓う誓約書、など、個人間で書面を作成することがあると思いますが、その場合に題名はどうしたらいいのか、という相談を受けることがあります。

題名を何にしたら良いのかわからない場合、そこにこだわる必要はありません。題名がなくても大丈夫です。お金の貸し借りに関する書面なら正式には「金銭消費貸借契約書」ですが、「借用書」としたり、返還についての合意という意味で単に「合意書」としてもいいでしょう。慰謝料などの支払いについて示談した場合には「示談書」でもいいですし、「合意書」でもかまいません。ただし、これらは「契約」「合意」「示談」という両当事者が関与して作成されるものです。これに対し何かしたり、しなかったりすることを約束する「誓約書」、相手の提示に同意する「同意書」などは、一方当事者のみが誓ったり、同意したりするものなのです。

題名がない場合や、正式な題名でない場合、そのことだけで書面自体が無効となることはありません。必要な内容がきちんと書かれてあるかどうかが重要になります。また、書面があるからといって、直ちに強制執行などができるわけではないことにも注意してください。どういう内容の書面を作るべきか、その書面があればどういう効果があるのか、など事前に専門家に相談し、意味のある書面を作ることをお勧めします

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