コラム

2018-01-26
内縁とは

よく「内縁の妻」とか「内縁の夫」とかいう言葉を耳にしますが、では「内縁」とは一体どういう関係なのか。巷では、一緒に住むなど共同して生活をしている場合に、よく「内縁」と言われている感じはします。しかし、単に一緒に暮らしているだけでは、法的に保護される「内縁」にはあたりません。

法的に保護された「内縁」であれば、民法の婚姻の規定が準用され、同居・協力・扶助義務、婚姻費用分担義務が生じ、内縁解消の場合に慰謝料や財産分与を求めることができます。では、どういう場合が法的に保護された「内縁」となるのか。

まず、二人の間に婚姻の意思がなければなりません。そして、その婚姻意思に基づいて事実上、夫婦として生活を共にしていることが必要です。結婚する気はないけど、好きだから一緒に暮らしている場合、例えば愛人関係などは内縁にはあたりません。また、結婚しようとは思っているが一緒には暮らしていない場合も原則として内縁にはあたりません。ただし、この場合は、婚約関係にあたる可能性があるので、別に法的保護が受けられる可能性はあります。

内縁関係にあたれば、婚姻関係に準じた法的保護が受けられるので、なんでもかんでも「内縁」というわけにいかないのです。ただ、人間関係は複雑で、ここからここまでが「内縁」、ここからは違う、など線引きすることは非常に難しいのが実情です。迷った場合には、結婚していないから、と諦めるのではなく、一度専門家に相談してみてください。

弁護士 明司絵美

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