コラム

2018-05-29
スポーツ事故

世の中には、野球・サッカー・ゴルフ等、様々なスポーツがあります。

 

このようなスポーツは、競技の過程で身体に対する多少の危険を含んでいることから、競技中の行為によって他人を死傷せしめる結果が生じることもあります。
そのような結果が生じた場合、加害者は常に民事上の損害賠償責任を問われるのかといえば、そうではありません。

 

競技の過程で身体に対する危険をもともと包含している以上、競技のルールに照らし、社会的相当性の範囲内の行為によるものであれば、その行為は違法性を欠くものとして、損害賠償責任を問われないことが多いです(東京地裁平成元年8月31日判決・判例時報1350号87頁、長野地裁佐久支部平成7年3月7日判決・判例時報1548号121頁、東京地裁平成28年12月26日判決・新判例解説Watch21号89頁参照)。
社会的相当性の範囲内の行為か否かについては、加害行為の態様・方法が競技規則に照らして相当なものであったかどうか、競技において通常生じうる負傷の範囲にとどまるものであるかどうか、加害者の過失の程度等を総合的に考慮して判断されます。

 

総合的に考慮した結果、他人を死傷せしめる結果を生じさせた行為が、その競技のルールに照らし、社会的相当性の範囲を超えるものであれば、損害賠償責任を問われる可能性があります。
たとえば、競技中にあえて相手に怪我をさせようとしてぶつかったことが明らかな場合です。

 

スポーツをしている際、思いがけず他人に怪我をさせてしまって損害賠償請求されている場合や、他人の明らかに悪質なプレーで怪我をしたような場合で加害者に責任追及したいと考えている場合には、一度当事務所までご相談ください。

 

弁護士 壽 和哉

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