コラム

2019-02-13
人質司法

日産自動車株式会社の前会長であったカルロス・ゴーン氏が逮捕されてから約3ヶ月経過しました。

長期の勾留が続くことに関して、「人質司法」等の報道がなされていますが、どうして身体拘束が長引くのかについて、少しだけ逮捕されてからの流れについて触れたいと思います。


まず、逮捕されると最大72時間身体を拘束されます。この間に検察官が勾留請求(身体拘束を続けるよう裁判官に請求すること)をするかどうかを決めます。

検察官が勾留請求をし、これが認められると被疑者は勾留され、さらに身体拘束が続くことになります。この勾留期間は原則として10日以内ですが、検察官は、さらに10日以内の勾留期間の延長を請求することができます。そのため、最大20日間勾留されることがあります。

もっとも、20日間勾留されても、その後再逮捕されると再び最大72時間の身体拘束、その後の最大20日間の勾留がなされ、身体拘束が続くこともあります。そのため、再逮捕が続くと身体拘束期間が長引くこととなります。

カルロス・ゴーン氏が長期間身体拘束されている原因の一つに再逮捕が続いたことが挙げられます。


もし不当な身体拘束が続いている場合、弁護人は不服申立て等をし、被疑者が早期に身体拘束から解放されるよう努力します。

弊所では、刑事事件も取り扱っておりますので、お困りの際は、お気軽に弊所にご相談ください。

 

弁護士 壽 和哉

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