コラム

2019-10-28
配偶者居住権

2020年4月の民法改正で相続についても大きく変わることは、既にこれまでのコラムにてお話させて頂いています。今回は、その中の配偶者居住権について簡単にご説明します。

相続が発生する前から配偶者が住んでいた不動産は、配偶者がそれを相続しなくても、6か月(配偶者短期居住権)もしくは配偶者が死亡するまで住んでいてもいいですよ、というのが配偶者居住権(配偶者居住権)の制度です。

これまでは、お父さんが亡くなり、お母さんが高齢の場合、お母さんに不動産を相続させると、またすぐにお母さんの相続をしなければならない、などとして、お子さんが不動産を相続し、お母さんが家を追い出されてしまうケースがありました。配偶者居住権は、仮に、お子さんが不動産を相続しても、お母さんが長年住んでいた家で今後も住めるようにしよう、というものです。

配偶者居住権は、相続発生時に自宅に住んでいた配偶者にだけ認められるもので、登記が必要となります。また、この権利は、他人に譲渡することはできません。また、不動産が、被相続人と配偶者以外の者との共有の場合には設定できない、など、配偶者が住んでいた、というだけで取得できる権利でもありません。遺産分割時に配偶者居住権を設定したい、と考えた場合には、一度専門家に相談してください。

弁護士 明司絵美

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