コラム

2021-01-14
民事訴訟と民事調停

離婚や相続など、家庭や親族の問題(人事に関する紛争)を裁判所で解決したい場合には家庭裁判所で行われる「調停」という方法があることは結構知られています。

 

では、お金返してくれない、代金払ってくれない、物を壊された、家を建ててもらったら欠陥住宅だったなど、いわゆる民事の問題を解決するためには裁判をするしかないのでしょうか。

 

裁判所における民事に関する紛争の解決方法には、民事訴訟と民事調停があるということはあまり知られていません。民事訴訟では裁判所が双方の言い分を聴き、証拠を調べたりしてどちらの言っていることが正しいか、ということを判断します。

 

これに対し民事調停は、当事者同士が、裁判所で調停委員を介して話し合いをし、お互いが納得できる落としどころをみつけることを目的としています。

 

民事調停のメリットは、法律に縛られずに実情にあった解決策がみつかる可能性があること、非公開手続きなので他人に知られたくないようなことでも利用しやすいこと、調停委員という第三者が間に入ってくれるので直接当人同士が話し合うよりは冷静かつ客観的な意見も聞きながら話しができることです。

 

民事調停で合意した内容は調停調書に記され、裁判で出される判決と同じ効力を持つことになります。また、調停での話し合いがまとまらなければ訴訟をすることは当然可能です。

 

いきなり裁判するのはちょっと大変そう、という方や、紛争の相手方との人間関係から訴訟には踏み切れない、という方は、一度民事調停を検討してみてください。

民事調停は簡易裁判所で申し立てることができます。定型の申立書も準備されていると思いますので、比較的簡単に申し立てることができます。

 

弁護士 明司絵美

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