これまで女性は、前婚の解消(離婚)又は取消の日から数えて100日を経過しなければ再婚することができませんでした。(一定の条件があれば例外的に再婚が禁止されない場合はありました。)
改正前の民法では、「結婚後200日以降に生まれた子は現在の夫の子」、「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」と推定する、という規定があり、離婚後すぐに再婚したとすると、「離婚後300日以内」であって「再婚後200日以降」の期間が100日生じる可能性があります。この100日間は嫡出子の推定が、前夫と現夫両方に生じてしまうため、それを避けるために、離婚後100日間は再婚禁止とする規定が定められていたのです。
しかし、DNA鑑定などの技術も発達し、また、女性だけに再婚禁止期間が設けられていることは不公平だ、という世論もあり、この4月にこの規定が撤廃されました。それに伴い、前婚と後婚が連続し、後婚後に子が生まれた場合には、その子は「出生の直近の婚姻における夫の子」と推定される規定も作られました。
再婚禁止期間が定められた明治時代と今とでは、医学や科学技術も、女性の地位も、夫婦の形も大きく異なります。時代の変化のスピードに法整備が追いついているとは思えませんが、少しずつでも変化し、皆が生きやすい世の中になるよう、弁護士の立場でできることをしていきたいと思います。
弁護士 明司絵美
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